【ネタバレ無し映画レビュー(記事後半ネタバレあり)】

低予算ながら大ヒットしたホラー映画「ゲット・アウト」をレビューします。
ホラー映画ですがモンスターは出てこない「人間が怖い」系の映画。

2017年「ゲット・アウト」
彼女の実家へ挨拶へ行くため実家のある田舎町へ行く黒人の彼氏。
彼女の両親は快く迎えてくれたが、両親と町の人たちは彼氏に対して黒人であることの優位性を過剰に説く。そして町の黒人は皆うつろな表情をしていた。
やがて驚愕の秘密が明かされる。

日本人にはあまりなじみのない「黒人差別」がテーマになっています。
アメリカは差別にとても敏感で、有名な「スター・ウォーズ」ではタイトルが「宇宙戦争」なのに白人しか出ていないどんな宇宙やねんと抗議を受け続編に急遽黒人俳優を起用した。
たぶん「ゴーストバスターズ」もトリオでやる予定だったと思うけど、抗議を予想して黒人を一人入れてカルテットにしたんだと思う。

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脚本の妙!

「ゲット・アウト」は第90回アカデミー賞脚本賞を受賞しています。ノミネートじゃなくて受賞。
脚本はホント秀逸です。伏線回収の気持ちよさと裏切られる気持ちよさが味わえるストーリーです。

町の白人が黒人の優位性についてやたら語ってくる描写が続く不気味さ。
差別を気にしていた主人公すら褒められすぎて異常性を感じるという不可思議。
また、街の黒人がクスリでもやってるかのように朗らかでうつろな表情。
視点があってないし、急に泣き出す人もいるし。


このババア~~~……。
観る前と観た後ではこの顔の見方も違う。

映画の謎についてはなんとなく予想がつくかもしれないけど、予想のナナメ上をいくどんでん返し。

この脚本があったからこそ映画がヒットしたと言っても過言ではないと思う(監督と脚本は同じジョーダン・ピールという人)。

【ここらかネタバレ!】謎が解けた後半

 

 

 

 

映画観終わったあとはこの顔すら怖いわ。

黒人が嫌いじゃなくて、好きだから黒人になりたい異常者の集まりだった田舎町。
憧れも一種の差別だよね……。

催眠術で完全に行動を操られる主人公、脱出が絶対不可能なのに綿毛の伏線により脱出できる気持ちよさ。

そして訪れる皆殺しのメロディ。
ムカつく異常者を一人また一人と血祭りにあげる様子がめっちゃ爽快感。
映画後半は完全にゲット・アウト無双。ゲーム化されたら絶対買うわ。

続編について

監督のジョーダン・ピールは「ゲット・アウト2」制作の可能性を示唆しているとのこと!
いやいやいや……ゲット・アウトが面白いのは脚本の伏線と謎、ラストの無双だった。
続編なんか出したら黒人差別と思いきや黒人崇拝、と思いきややっぱ差別という1作目の「差別」というテーマが薄れること必至。
無双映画だけの続編なら観たくないし、監督には別の映画で才能を発揮してもらいたい。

監督は38歳で今回が初監督作品。これからたくさん監督作が出ると思うから、今後も楽しみだ!

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