【ネタバレ無し映画レビュー】
この前テレビで、３Ｄプリンターのように情報化された食材データを「どんな味も再現できる小さい謎キューブ」で組み立てて食品を作り出す技術が紹介されていました。
マグロの寿司を作ってて、ビートたけしが食べてマズイとキレていましたｗ
再現率は20％で、数年以内には本物の味になるとのこと。
これが完成できれば宇宙食の歴史に革命がおきて、自宅でもテレビでおいしそうと思った食品が手軽に再現できるようになるかもしれないとのこと。
IT技術の進歩はめざましく、いったいどこまでできることが増えていくんだろうと思います。
きっと将来的にはVRが進化して、ヴァーチャルの人の吐息とか触れた感じとか感情とかも再現でるでしょう。そして少子化が一層加速すると思う。
そんな将来絶対市場に登場すると思う美女アンドロイドが登場するサスペンス「エクス・マキナ」のレビューです。
2015年「エクス・マキナ」
IT企業に勤める主人公は、大富豪の雇い主に自宅に招かれ、開発中のアンドロイドのテストを依頼される。
主人公はアンドロイドに人間性を感じるかテストしていく中で、雇い主に不信感を抱き、アンドロイドに好意を持っていく。
予告編ですべての内容が分かる映画
スティーブン・スピルバーグは予告編の作り方にも指示を出すそうです。
昔、インディ・ジョーンズシリーズ第一作「レイダース」の予告が映画館でかかったとき、それを観た関根勤が「つまらなさそう～」と思ったとのこと。
でも天下のスピルバーグだから一応観てみるかと劇場へ行ったら相当面白かった。
スピルバーグは映画を観たときに楽しんでもらうために予告で面白いシーンを観せないらしい（今のスピルバーグ映画の予告では結構観せてる気がするけど……）。
同じように、予告編観ただけで最初から最後までのストーリーが分かる映画が「英国王のスピーチ」です。
予告ですべて説明されて内容が予想できるけど、予想通りで良かったと思う映画でした。
観客が観たいと思った内容がそのまんまだから観てよかったと思える稀有な映画かもしれない。
あとは、予告編というかテレビの特集でさんざん観せられたシーンがすべてだった「マトリックス」。
このシーン1000回は観たわ。
内容が無いようなオシャンティオンリームービーな気がするけど、面白かった映画。
公開当時はオシャレなだけの若者向け下らん映画って言ってる人もいた気がするけど、ハリウッドのアクション映画はマトリックス以前と以後に分かれると思う。
二丁拳銃、スローモーション、オシャレポーズetc...
元ネタのジョン・ウー監督を昇華させた歴史に残る映画だと思う。
観客が観たい映画
「エクス・マキナ」も同じように、予告を観て内容が想像できる映画です。
「エクス・マキナ」の予告を観て「こんな映画だろうな」と予想すること↓
予想１．
アンドロイドが嘘をついて主人公を騙そうとしている。
予想２．
雇い主が嘘をついて主人公を騙そうと（テストしようと）している。
予想３．
主人公は雇い主が作ったロボで、テストされてるのは主人公の方。
予想４．
雇い主が悪い奴で、アンドロイドが言っていることはすべて真実。
予告を観ると、ストーリーのオチはだいたいこの四つになるんじゃないかと予想されると思う。
そして、映画ではすべての予想を観客に示唆させながらオチに向かう。そして予想通りのオチが待っている。
それでも面白いと思えるのは、観たかったオチだし過程が面白いから。
最初と最後のストーリーがあれば映画は作れると映画評論家の町山智弘さんが言っていました。そして大事なのは過程とも言っていました。
ネタバレだけで楽しいならレビューサイトを読むだけでいいわけであって、映画が本当に楽しいのは過程を観ることだと思う。
2時間もじっと座って観るんだから、開始と終わりだけじゃなくて、過程も楽しめる。「エクス・マキナ」はそんな映画でした。
俳優について
主演は1988年生まれのアリシア・ヴィキャンデル。新しいトゥームレイダーでララ・クロフトを演じた、これから売れていきそうな女優。
そして、劇中で日本人タイプのアンドロイド・キョウコを演じたのは1988年生まれのソノヤ・ミズノ。
「ララランド」やエクスマキナ監督の次回作「アナイアレイション 全滅領域」にも出演している日系人の女優。
日系人が活躍する姿は右も左も思想関係なくうれしいね。
そんな「エクス・マキナ」監督のアレックス・ガーランドは次回作のNETFLIXオリジナル映画「アナイアレイション 全滅領域」で、ナタリー・ポートマンを主演に迎えて微妙に面白くない映画を作りましたとさ……。
それでも次回作が楽しみな監督です。エクス・マキナの続編でも面白いかもしれない。とにかく、次回作に期待大な監督です。
