【ネタバレ無し映画レビュー】

映画には観るのに最適な年齢というものがあると思う。
高校生の頃、映画史上最高傑作といわれている「七人の侍」を観て「くっそなげ~~~」としか思いませんでした。
でも二十代中盤頃に観直したら傑作になっていた。
年を重ねると面白くなかった映画が面白くなっていたり、逆に面白かった映画が面白くなくなっていたりする。
映画が面白いと思う感覚は経験からくるものだと思う。

そんな私が高校生の頃観て「これは面白い!」と思ったのが時代劇映画の金字塔「用心棒」です。
ちなみに大人になって観直したら数倍面白くなっていた。

1961年「用心棒」
二つのヤクザが派閥争いを繰り広げている宿場町。闘争に巻き込まれた住民はほとんど死に絶えていた。
そこにやってきた浪人の三十郎は二つのヤクザに最終闘争を持ち掛け、同士討ちさせようと画策する。


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凄い脚本!

リメイク作でクリント・イーストウッドの出世作「荒野の用心棒」は東宝の許諾をとっていないパクリとして有名です。
同じ黒澤明監督の「隠し砦の三悪人」が「スター・ウォーズ」の元ネタになっていたりと、白黒時代の黒澤明の映画は熱量・面白さがハリウッド以上。
後にスピルバーグやコッポラが黒澤映画の制作に積極的に関わってくることからも、ハリウッドが認めた才能だということが分かります。
今のテレビモドキの映画とは違いますね……。
ただ、カラー時代になってからは芸術性が倍増して、白黒時代にあったエンタメ熱が下がったのがさみしいです。

この映画では、劇中最強の剣の腕があるけどそれ以上に頭のいい三十郎がヤクザを同士討ちさせるべく策を立て実践する様子が超面白い。
相手に消えてほしいけど同士討ちが怖くて戦えない二つのヤクザをどうやって同士討ちさせるのか、目が離せない展開。

映画中盤から仲代達也演じるヤクザが登場してからがさらに面白さ倍増。
さらに持っている武器が刀ではなく拳銃。この、拳銃に日本刀でどうやって勝つのかが、この映画の肝になっています。
三十郎並みに頭がいい仲代達也に知恵と剣術で上回らないといけない展開がアツイ!!!

凄い俳優!!

三十郎役の三船敏郎のギラギラ具合が必見。
今も昔も画面からこんなに熱量を感じさせる俳優はいないと思う。


目つきから動きから演技から、戦後のハングリーさが出ている。
数十年後に娘の三船美佳があんなことになるとは思いもしなかった頃の純粋な演技が観られることでしょう……。
三船敏郎がマジでカッコイイ。こんなイケメンになりたいと思える映画です。
そしてわきを固める黒澤映画常連の仲代達也や志村喬もいい味を出していて、観ていて楽しい。

思い出補正

昔の映画は思い出補正がかかるので、たとえ映像が白黒でも、内容がしょぼくても、超面白いという感想になりがちです。
でもこの映画は今の映画に負けず劣らず最強に面白い。
演出、脚本、俳優の演技、どれも一級品だし芸術的なうえに最高にエンタメです。
ただ一点、音声が最悪。役者が何言ってるのかたまに分からない。
しかしDVDやブルーレイだと字幕表示にできるので、字幕で観るとセリフもわかります。
でも音声が最悪なのを差し引いても面白いので全世界に対して超オススメです。

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